受け身 ถูก・โดน — 「〜される」は困ったときに使う
「犬にかまれた」「母に叱られた」「財布を盗まれた」。タイ語ではこうした「〜される」を、動詞の前に ถูก または โดน を置いて表します。動詞の形は変わりません。ただし日本語の受け身とは使う場面が少し違い、タイ語の ถูก・โดน は主語にとって困ること・嫌なことに使うのが基本です。この記事では形と語順、使う場面、受け身にしないタイ語らしい言い方を見ていきます。
形と語順
| 形 | 例 | 意味 |
|---|---|---|
| 主語 + ถูก/โดน + する人 + 動詞 | ผมโดนแม่ดุ | 私は母に叱られた |
| 主語 + ถูก/โดน + 動詞(する人を言わない) | เขาถูกไล่ออก | 彼は追い出された(解雇された) |
| 主語 + ถูก/โดน +(する人)+ 動詞 + 物 | ฉันถูกขโมยกระเป๋า | 私はかばんを盗まれた |
「する人」は ถูก/โดน のすぐ後ろ、動詞の前に置きます。日本語の「〜に」にあたる語は付けません。わからない・言う必要がないときは省略します。
ถูก と โดน の違い
意味はほぼ同じで、多くの文で入れ替えられます。違いは文体で、โดน は話し言葉でよく使われ、ถูก は話し言葉にも書き言葉にも使われます。ニュースや文章では ถูก が選ばれることが多い、と覚えておけば十分です。
「財布を盗まれた」の形
日本語の「(私は)財布を盗まれた」のように、被害を受けた人を主語にして、盗まれた物を動詞の後ろに残す言い方がタイ語にもあります。主語は物ではなく困った人です。
โดน + 名詞 — 「雨にあう」など
โดน には「当たる、触れる」という動詞の意味もあり、後ろに名詞を置いて「〜にあう、〜を受ける」と言うことができます。โดนฝน(雨にぬれる)はその代表で、日常会話でよく使われます。โดนรถชน(車にはねられる)は「する人(物)+動詞」の受け身の形です。
うれしいこと・ふつうのことは受け身にしないことが多い
ほめられた、招待された、のようにうれしいことには、ถูก/โดน ではなく ได้รับ(受ける)を使うのがふつうです。ได้รับเชิญ(招待される)・ได้รับรางวัล(賞をもらう)のような形です。
また、物が主語で特に良くも悪くもない内容(「この橋は50年前に建てられた」など)は、タイ語では受け身の印を付けずに言うことが多くあります。ニュースや翻訳調の文章では中立の内容にも ถูก が使われることがありますが、3級の会話や短い文章では、まず「受け身の印なし」の形に慣れておくと自然です。
間違えやすい点
検定ではこう問われる
( )に入る語を選ぶ問題では、「犬にかまれた」「先生に叱られた」のような困った出来事の文に ถูก や โดน を入れる形が考えられます。選択肢に ให้(させる)や ได้ が混ざるときは、主語が「する側」か「される側」かを確かめて選びます。
訳の選択では、する人とされる人を入れ替えた訳(「母が私に叱られた」など)が誤りの選択肢として考えられるので、ถูก/โดน の前が「される人」、後ろが「する人」と押さえておきます。5語の並べ替えでは、主語 → ถูก/โดน → する人 → 動詞 の順に並べれば語の位置が決まります。